はじめに
標高5,895mのウフルピークを擁する山、キリマンジャロ。
名前の由来である「白く輝く山」は、山頂付近の氷河から来ています。この氷河が年々減少していて地球温暖化の証左が見られるのですが(これはこれで調べてみたい)、氷河や積雪の上を登っていくわけではないため、雪山登山の技術は不要とされています。
ですが、そもそも標高が高いので気温は下がります(100mで0.6℃下がるので、標高5,000mでは海抜ゼロメートル地点から30℃も低い!)。ピークアタックの日は、マイナス10℃の中を歩いて登るそうです。高山病の対策はしますが、何らかの症状が出ることは覚悟しないといけませんし、速く歩くこともできません。
つまり、低酸素の中で高山病の症状に耐えながら、寒い中をゆっくりと進むのです。
それに加えて、私は、寒いのが苦手。。今のうちから手を打っておかないといけないのです!
冬稽古でテスト
マイナス10℃に耐えるにはどうするか?
装備としてしっかりとしたものを着て登るのは当然。キリマンジャロ登山記録を読むと、これが良かった、これでは足りなかったなど、色々と書かれています。
ただし、自分の装備として、何をどこまで着ておくと、自分は大丈夫なのかが分かりません。
寒さの感じ方は人それぞれのところもあるので、実際に来て、体感して、確認しておくしかないと考えました。
そこで、2023年12月から、「冬稽古」と称して、冬装備を揃えながら、日帰りで行ける雪山に登ってみて、色々と試してみることにしました。(4回実施)
やってみたこと、分かったこと
①粉雪混じりの金峰山で冬の寒さを経験(2023/12/17)
- レインウエアは、丈が短く、顔周りの防御も不足して、稜線に出てからの冷たい爆風には役不足を実感(次回からハードシェアを導入することにする)
- 軽アイゼン(6本爪)は、雪と氷混じりの稜線でしっかり効いてくれた(キリマンジャロでは必須ではないが、お守りとして持っていく予定)
- ゲーターが短めだったので、次回からロングゲーターにしてしっかりと足元を守ることにする
- ハイドレーションは、氷点下ではチューブの水が凍って使い物にならない
- 山頂でスマホの電源が落ちた。外出しはNG
②冬装備を揃えて、どか雪の降った雲取山で防寒テスト(2024/2/10)
- レインウェアをハードシェルにしたら安心だった
- 上は、メッシュのアンダーウェア、ベースウェア、ミッドウェア(フリース)で寒くなかった(ただし、気温が下がらなかったのでテストには不足)
- 下は、厚手のアンダーウェア、厚手の登山用パンツで暖かかった
- 足元は、ゴローの本革登山靴に、薄い靴下、ウールの靴下の二重履きで寒さ感じず
- 今回からロングゲーター着用
③残雪残る大菩薩嶺でもう一度テスト(2024/2/17)
- ②であまり気温が下がらなかったので、同じ装備で再テスト。
ところが、また気温が下がらず、テストには不足(山行としては楽しめました😊)
④三峰神社から雲取山の深夜登山で寒さ実感(2024/2/24)
- 寒さと深夜歩行の練習を兼ねて、夜中の1時過ぎに出発。小雪混じりの登山で、温度計を見た範囲では、マイナス8℃まで下がり、ようやく寒さ加減が分かってきた
- 手袋は、薄手の手袋の上に、インナー付きオーバーグローブで寒さを感じなかった
- 上は、②のレイヤリングでは、腕が冷える。本番は、足取りが止まって動けなくなった時のことを考えて、防寒着として持っているダウンのインシュレーターとアウトドア向けダウンジャケットを着込んでおく
- 下は、②のレイヤリングで大丈夫だったが、本番はテント泊用のダウンパンツを履く
- 足元は、②の装備はギリギリに思える。あとで来るのはカイロを入れるくらいか
- ヘッドは、薄手のバラクラバにニット帽で大丈夫だった。本番は、ダウンジャケットのフードも被れば行けると思う
今想定している装備(2024年2月現在)
これまでのテストから、現時点では、サミットアタック用に以下の装備を想定しています。
- 頭
ネックウォーマー
薄手のバラクラバ
ニット帽
ゴーグルも持っておく - 上
メッシュのアンダーウェア(ミレー)
薄手のベースウェア(登山用の一般的なもの)
フリース(メーカー等は思案中)
ダウンのインシュレーター(NorthFace)
ハードシェル(ミレー)
ダウンジャケット(Mountain) - 下
厚手アンダーウェア(mont-bell)
厚手の登山パンツ(FoxFire)
ダウンパンツ(mont-bell) - 手
薄手の手袋
インナー付きオーバーグローブ(Black Diamond) - 足元
ゴローの登山靴
薄手とウールの靴下の重ねばき
ロングゲーター
※これらに加えて、手足用にカイロを持っておく
アタック日以外は、これらの装備から減らしていけば良いですが、標高の低いところ向け向けに夏用のウェアも持っておこうと思います。
今後の山行や経験者の山行記録で気がついたことがあれば、更新していきます。
以上